『MASS-kobou model 284で喋ってみて…』 田中総一郎 (ナレーター、ボーカリスト、声優)

わたくしは 日頃、演じたり 歌ったり しています。 わたくしはエンジニアではありませんしオーディオ機材の事もよく解りません。
ですから表現者としての立場でのお話をさせていただきます。

『model 284』と出逢うまでは日々、MAという現場で自分の持ち味や表現を求めていくのに 多くの悩みがありました。
特にCMナレーションの場合、わたしの声は低音で艶を求めていくテイストなので、テストで 張り声をちょっとでも出してしまうとミキサーさんにフェーダーを下げられてしまい、基準が張り声に設定されてしまい、そこからは低音のウィスパーや囁き声を生かす表現が出来なくなってしまう…これが大きな悩みでした。(声を張るところもあるし囁くところもあるという場合。)

ですから、ミキサーさんがフェーダーを下げない様に、自分の低音の囁き声をメインに考えて テストの時にヘッドホーンで自分の声を聴きながらマイクと口の距離 そして声量を自分でも調節してミキサーさんとのチームワークの基準を計っていく…毎回そうでした。 

現在は『model 284』をマイマイクとして持ち歩き、スタジオに入るたびに ミキサーさんに( だいたいNeumannU87Aiと)チェンジしてもらい収録しています。

都内の殆どのスタジオで使われているNeumannU87Aiというマイクはドイツ製で歴史もありU67から始まって空力まで計算された素晴らしいマイクだと思いますが、わたくしには〜硬くて低音も出てるようで出てない感じがあり、そして喋った時に子音がキンキンして硬い音がするイメージがありました…、しかし、すべての現場のオールマイティーな収録をおこなうにはいい感じなマイクなんだと思います。

硬い感じもけして嫌いではないのですが…。 自分の持ち味の柔らかい低音をいまいち生かせない感がありました。

毎回スタジオが違いますしミキサーさんも違いますので 自分のマイクを持ち歩くのはどうかと思うところもあったのですが、『model 284』で喋ってみてわたくしの今までの規制概念が覆されました。 

まず、『model 284』に驚いたのはマイクへの一定の近距離でウィスパーで喋っても いきなり叫んでも 基準が偏らずにちゃんと収録出来るって事です。

この現象には現場でミキサーさんが毎回驚いてくれるので笑ってしまいます。
毎回 現場でのミキサーさん達は、 『フラットでコンプレッサいらないですね』とか『イコライザいらないですね』とかおっしゃられます…

しかし、わたくしには意味が解りません(笑) 囁こうが叫ぼうが、わたくしの声が音楽に埋もれず前にしっかり存在するので素直に嬉しいです。

しかもポップガードがなくても吹きにくいから安心してウィスパーで喋れます。

それから、U87はマイクから口がちょっと外れると駄目なのに対して、『model 284』はマイクからのかなりの領域で外れても音質が変わらずに収録出来ちゃいます。  

 ナレーターの立場からですとモニターに集中出来ますし非常に喋りやすいんです。

囁き声から〜〜叫び声まで表現出来ます。つまりボーカルが歌う場合も バラード等の 語り歌から 声を張り上げるサビまで、歌い手もミキサーさんも 余計な神経を使わずに表現に集中して収録出来るという事で作業効率が全然違うんです。

そして低音の甘い響きが非常に柔らかい音質になる(M149tubeより柔らかいと思う。)のが最高の喜びです。

自分の思い通りの表現が出来るマイク『model 284』…わたくしにとっては最高のパートナーであり最高の楽器でもあります。

喋る事…歌う事……楽しいです。 

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